これはpyspaアドベントカレンダー2017、16日目の記事です。
こんにちは。turkyです。皆さんお元気ですか?僕は風邪を引いて、金曜にあった職場の忘年会をドタキャンしました。皆さんも気をつけてくださいね!
さて、「pyspa books」と僕が呼んでいる一連の書籍群があります。「pyspaは概念」という言葉がありますが、これに従うならpyspa booksも概念と言えるでしょう。実際にそのような名前のシリーズやら書籍があるわけではありません。
pyspaに集まった人たちの中から生まれて来た書籍、その何割かは僕が関わったものなのですが、それを心の中で「pyspa books(概念)」と呼んでいます。
はじまり
ことのおこりは@ymotongpooが2012年にpyfesで行ったプレゼンが参考になります。これの19枚目に出てくる「某外資系出版社のT氏」が私です。ガラ悪そうですね。
ということで@ymotongpooに翻訳してもらったのがこちら。確かこれがpyspaがきっかけで誕生した最初の書籍になると思います。もう5年前になるんですね。
『Java開発者のための関数プログラミング』(2012/6)
続いて書き下ろしの電子書籍として執筆してもらい、PyCon JP当日にリリースしたのがこちら。正確にはsphinx-users.jpの皆さんなのですが、メンバーの過半数がpyspa参加者でもあるのでpyspa関連書籍に含めてしまっても良いでしょう。
『Sphinxをはじめよう』(2013/9)
あまり知られておりませんが、@shiumachiが監訳している書籍もあります。これは内容の検証がとても大変で、お願いして監訳してもらったもの。
『Apache sqoopクックブック』(2014/3)
この辺までは、僕自身もまだ試行錯誤しているような部分があり、書き下ろしも『Sphinxをはじめよう』1冊だけです。
pyspaらしさの表出
この辺から書籍のキャラクターにもpyspaらしさが出てきているように思います。まさにpyspaチャットでの雑談から生まれたのがこちらの書籍。
『word2vecによる自然言語処理』(2014/5)
@nishoがword2vecのお話をしてて、「なにか食わせるデータがないかな?」という話になり、「書籍を書いていただけるならデータをご提供できます」ということで形になったという経緯があります。
@shibu_jpにご執筆いただいたMithril本です。この本は世界最速で書かれた(そしておそらく世界唯一の)最速JSフレームワークの書籍となりました。
『Mithril』(2015/8)
この本を出したとき、@shibu_jpから「紙の本もあったらいいですよね」という言葉をいただき、これまで出した電子書籍をプリント・オン・デマンドにする試みを始めます。
電子から紙へ
そして今年になり、印刷された書籍として1年の執筆期間を経て登場したのがこちら。こちらについては別途エントリがありますので、そちらをご覧ください。おとうさんはえらい。
『Real World HTTP』(2017/6)
そして2013年にリリースした『Sphinxをはじめよう』を改訂、同時にPODも制作して絶賛発売中です。今回は前回よりもsphinx-uses.jp度が高まっているので、このリストに挙げるのはまあギリギリ範囲内という感じだと思っています。
『Sphinxをはじめよう 第2版』(2017/10)
さらに、技術書典2で@chezou、@tokoroten、@hagino3000が同人誌として発売した書籍が生まれ変わって登場したのがこちらです。
『仕事ではじめる機械学習』(2017/10)
ちなみにこの書籍は2018年1月に紙の書籍として再リリースされます。2度(生まれなかった1回を含めると3度)転生した書籍という、技術書としてはかなり珍しい事例だと思います。
僕が関わった以外のpyspa books(概念)
以上が僕の関わったpyspa関連書籍、pyspa books(概念)なのですが、僕が関わっていないものもあります。@golden_luckyこと鹿野さんの手になる書籍です。以下ご紹介しましょう。
こちらはpyfesの会場で原書を手にお話ししていたのを覚えています。訳者の@ransuiにはゲラを見せてもらいながら意見を求められたりもした思い出が。「明日のすーぱーはかーを育てる本」というテーマは@ransuiとは10年以上前から話し合っていて、それがこういう形で実現しているのは嬉しくもあり、ちょっと悔しい気持ちもあり、その位いい本です!
『たのしいプログラミング Pythonではじめよう』(2014/2)
こちらは@ymotongpooが訳していたWebのドキュメントが英語圏で書籍化され、翻訳も再編集されて書籍になったもの。つい先日、担当編集であった@golden_luckyにお聞きしたら、元々は『すごいHakellたのしく学ぼう』の訳者さん経由でのお話しであったということですが、入れちゃってOKということなのリストに入れちゃいます。
『すごいErlangゆかいに学ぼう!』(2014/7)
(追記)
公開直後に@golden_luckyからご指摘いただきました、@cocoatomoが翻訳するこちらもリストアップすべき1冊です(すみませんでした)。僕みたいな文系学部を出てる人間にとっては数学と聞くと「数学コワイ」と条件反射してしまいがちなのですが...いえ、もちろん購入済みですよ(積読中)。
『グッド・マス』
こちらは『Real World HTTP』の執筆と並行して進んでいたascii.jpでの連載を再編集して書籍化したものです。執筆時期が同じという意味で勝手に双子の兄弟のような書籍だと思っています。本書は技術書典3で先行発売されたのですが、たまたま出展ブースが隣だったので、開場と同時に購入しました。
『Goならわかるシステムプログラミング』(2017/10)
なぜpyspaで本をつくるのか
特に今年に入ってからのものは、製作中のレビューにもpyspaメンバーにお手伝いいただくことが増えました。皆さんジャンルの異なるスペシャリストなので、違う方向から球が飛んで来てとても勉強になります。
しかも普段から笑いながらマサカリを投げあうコミュニケーションをし合っている人達なので、馴れ合っている中でも容赦はありません(下記参照)。
はー、 @chezou さんにマサカリ投げるの楽しかった…内容が濃いだけに投げがいがあった…
— 分散深層学習er (๑•̀ㅂ•́)و✧ (@kuenishi) 2017年9月25日
ただし、投げてもらったマサカリをどうするかについては、チャットルーム外で著者さんと僕の間で相談して最終決定をしていました。この辺の線引きをきちんとしたのは良かったと思います。
僕は企画編集をメインの仕事としていないので、外へ出て著者さんを探し、書籍を作ることはあまりしていません。ですが、普段チャットルームや宴会で行われている小学生レベルの会話の合間にキラリと光る知性を見せられると「これ本にしたいなー」と思ってしまうんですよね。で、それを遠慮なく口にするというところから多くの話ははじまります。上記のリストの書き下ろしの書籍はほぼ100%このパターンです。
おわりに
ということでpyspa books(概念)の現在について簡単にまとめてみました。クレジットされていないけれど、中身をざっとみてもらったりした本は他にもあります。周辺という意味では『Python文法詳解』を含めてもいいのかと思いますが、あの書籍の成立にはまた別の物語があります。これについては気が向いたらいつか書くかもしれません(書かないかも)。
今回ご紹介したpyspa books(概念)ですが、今後もすでに発行される予定が複数あります。僕も企画していますし@golden_luckyも何かを画策されているようです。
いつ登場するかは分かりませんが、楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。