2015/01/12

ニッカウィスキー「カフェモルト」「カフェグレーン」

昨年末の事、ニッカウヰスキーの「カフェモルト」と「カフェグレーン」のセットをいただいた。どうもありがとう。

届いた包みを開けると「お歳暮」と書かれていて、実を言えば人生初のお歳暮ではないかと思う。自分がそれに値するような大人なのかと振り返ってみると、思わず身震いがする。もっと精進しよう。

Coffey Still

さて、カフェである。この名前はCoffey Stillという連式蒸留器で作った蒸留酒(麦から作ったMaltとそれ以外の穀物から作ったGrain)であることを示している。Coffeyというのは人の名前で、連式蒸留器の開発者。Coffeyさんはこの蒸留器の特許を取得したため、別名Patent Stillとも言われているそうな。

このCoffey Still、今となってはかなり旧式に属する蒸留器で、日本国内にはおそらくこれ1台。世界的に見ても数台しかないのだそう。最近、その名が改めて脚光を浴びている竹鶴さんご自慢の蒸留器なのだそう。

数年前、ニッカウヰスキーの宮城峡蒸留所を見物(見学ではない)しに行った際、一番楽しみにしていたのはこのCoffey Stillだった。が、蒸留所の方に見学コースを案内していただいてピートのカタマリを持って写真を撮ったり、余市蒸留所と同じく注連縄の貼られたPot Still(単式蒸留器。銅でできた大きなフラスコだと思えばいい。一般的なモルトはこれで2回蒸留されて作られる)を見たりしたけど、結局最後までCoffey Stillがコースに登場することはなかった。

少し躊躇しつつ、案内員の方に「Coffey Stillは見られないのですか?」と聞いてみたところ、少し申し訳なさそうなご様子で「今は操業中なので」という答えが返ってきた所で気が付いた。

連式蒸留器で生成されるアルコールの度数は70%を超える。そのくらいの度数のラムやウォッカのラベルには「火気厳禁」の注意書きがされている。蒸留器の周辺には気化したアルコールが充満している可能性があるし、もしそんな状態で静電気の放電でも起きれば大惨事になるだろう。

ということで、その時はCoffey Stillの置いてある建物の写真を撮って満足して帰ってきた。後からバーで聞いた話では、バーテンダーさんが見学に行く際は、あらかじめCoffey Stillが操業していないタイミングを見計らって行くことが多いのだそうだ。何事にも先達あらまほしきや。

Coffey Stillの味

実はこんなことをクドクド書いているにもかかわわらず、今までCoffey Maltを飲んだ事が無かった。典型的な耳学問の未熟者である。とはいえ、ニッカのウィスキーが普及帯のものまで美味しいのには、このグレーンの存在が大きいと思っていたので、今回飲む機会をいただけとても嬉しい。

年末に口を開けて、何度か飲ませて貰った。美味しい。カフェモルトの方は最初オレンジのような香りで、後から麦の甘味と香り、それからカラメルとスパイスのような残り香がある。ブルーチーズにハチミツを垂らしたものとか、あと実家で貰ってきた黒豆なんかがよく合う。少し甘さのあるものが合うみたい。

カフェグレーンの方は、やはりオレンジのような香りは共通しているけれど、後からバーボンと似た花のような香りを感じる。こちらも甘味を感じるけど、おそらくアルコールに由来するもので、後味はモルトに比べるとややスッキリしている。こっちはゴーダチーズやナッツ類なんかと一緒に飲むのが美味しかった。少し脂っ気があるものが良いんじゃないかと思ったので、次はベーコンを切る。

どちらも他のウィスキーにはない個性があって、どんな食べ物と合わせるとイイかなと夢想したり、加水の量を変えてみたりと試行錯誤をするのが楽しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿